下半身のむくみがつらい!症状別解消法
一日の仕事が終わったら足がむくんでパンパンになった経験、誰でも一度はありますよね。
足がむくむと見た目に影響が出るだけではなく、ひどいときには全身がだるくなるなど体調不良にもつながります。
むくみは女性に起こりやすい症状で、ある調査によると下半身のむくみの自覚症状があるという女性は97%! ほとんどの人がその辛さを大なり小なり味わっていることになります。
しかし、当たり前のことだからといってむくみを放置することはおすすめしません。
なぜならむくみは身体の不調のサインであることもあるからです。ここでは下半身にむくみが生じる主な原因をご紹介しますので、自分のむくみの原因に気付いて正しくケアを行ってくださいね。
むくみのメカニズムとは?
むくみは、間質液のバランスが崩れることによって起こります。
間質液とは、細胞と細胞の間に存在する水分のこと。
人間の体内に存在する水分のうち細胞内液は3分の2、細胞外液は3分の1となっていますが、細胞外液の約80%は間質液となっています。
なお、残りの20%は全身をめぐっている血液やリンパ液です。
血管には小さな穴があり、ここを水分が出入りすることによってバランスを保っています。
しかし、何らかの原因の寄ってこのバランスが崩れると血管から水分が染み出し過ぎ、間質液が必要以上に増えてしまいます。これが、身体がむくむメカニズムです。
筋力が弱い
ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれており、血液を心臓に送り返す働きがあります。
これは菌ポンプ作用と呼ばれますが、十分に足の筋肉がない場合には血液を押し上げることができません。
その結果、下半身に血液や水分が溜まってむくみやすくなります。男性より女性のほうがむくみに悩まされがちなのはこのためです。
若い頃よりもむくみやすいと感じているのであれば、それは筋肉が落ちていることが原因かもしれません。またダイエット中も筋力が低下しがちなので、下半身がむくみやすくなります。
筋力の弱さが原因でむくんでいるのであれば、太ももやふくらはぎの筋肉をつけるのがむくみの解消法になります。
普段使わない筋肉をいきなり使うと身体に負担がかかってしまうので、まずはつま先立ちなど簡単なことから始めてみてください。
むくみが解消されるだけではなく、スタイルアップにもつながりますよ。
長時間同じ姿勢でいる
デスクワークなどをしている人は、どうしても長時間同じ姿勢でいることになってしまいます。
しかし長時間同じ姿勢でいるとリンパ液が全身を上手く循環できなくなってしまうため、むくみにつながります。
また、身体を動かさないことは筋力の低下にもつながります。
いつも同じ姿勢でいる人は、少しでいいので足を動かすように心掛けてみてください。適度に休憩を取って足のマッサージやストレッチをするだけでもむくみの予防および改善につながりますよ。
冷え性および血行不良
女性が悩まされがちな冷えも、むくみの原因になります。
身体が冷えると全身の血行が悪くなってしまい、また筋肉も委縮するのでリンパ液が流れにくくなります。
冷えを解消する方法としては、スクワットなどをして軽く動かす、マッサージをする、靴下を着用する、足にお湯と冷水を交互にかけるなどの方法があります。
また毎日の食生活も大切なポイントです。ファーストフードやインスタント食品はできるだけ避け、バランスの良い食生活を心掛けましょう。
塩分の摂りすぎ
現代人が塩分を摂りすぎているというのはご存知のことと思います。
厚生労働省が発表している「食事摂取基準」をみると、男性は1日に10g以内、女性は1日に8g以内というのが理想的な摂取量となっています。
ところが、日本人のほとんどは毎日これ以上の塩分を摂取しています。
しかし、塩分を摂りすぎるとその量に応じて血液中の水分量も増えます。そのため、下半身のむくみにつながってしまうのです。
塩分を摂りすぎるとただむくみやすくなるというだけではなく、高血圧や心血管疾患、脳血管疾患、腎臓病、、尿路結石、骨粗しょう症、胃癌などの原因になります。
このことから分かる通り、塩分の取り過ぎは万病の元です。薄味で調理するなどして減塩を心掛けましょう。
骨盤のゆがみ
骨盤が開いていると、血液やリンパの流れを妨害してしまうためむくみやすくなります。
また骨盤がゆがんだ状態のときは歩き方も変わってしまうため、血液を送り返すためのふくらはぎの筋肉を使いにくくなります。
骨盤がゆがんだときには、むくみ以外にも冷え性や生理不順、肩こり、腰痛などの症状が出ることがあります。
また子宮や卵巣の近くの血流やリンパの流れにも影響を与えてしまうため、様々な婦人科疾患にもつながりかねません。
骨盤は日々の生活の中で少しずつゆがんでいくため、骨盤のゆがみの原因となる生活習慣を改善することが大切です。
姿勢が悪かったり足を組む癖があったりするのであれば、意識して改善していきましょう。
またストレッチをすることも骨盤のゆがみの改善につながりますよ。
病気
ただのむくみだと思っていたら、実は病気だった…ということもあり得ます。
大切なのは、病気のサインを見逃さないこと。
もしかしたらと思ったら、迷わず病院に行って診てもらいましょう。むくみの原因になり得る主な病気は以下の通りです。
心不全
心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。
心不全になると心臓の機能が低下するため血液が体内をスムーズに循環することができなくなるため、心臓から遠い足に水分が溜まってしまいます。
心不全の場合はむくみ以外にも動悸や息切れ、呼吸困難などの症状が伴うことがあります。
下肢静脈瘤
静脈には、血液が逆流するのを防ぐための「弁」があります。
しかし下肢静脈瘤になると弁が正しく閉じなくなり血液が身体の末端のほうに逆流するためむくみにつながります。
片方の脚だけがむくんでいる場合や静脈がボコボコと浮き出ている場合には下肢静脈瘤の可能性があるといえます。
腎臓の病気
腎臓には血液をろ過して尿を作る働きがあります。
そのため腎臓の機能が低下すると体内にある余分な水分を尿として体外に排泄することができなくなり、むくみへとつながります。
腎臓の機能低下が原因でむくんでいる場合には、下半身だけではなく顔やまぶたがむくむことも多くあります。
肝臓の病気
肝臓の機能が低下すると、たんぱく質の一種であるアルブミンの量が低下します。
アルブミンには血液の濃さを調節する機能がありますが、これが低下すると血液中の水分が皮下組織に流れ出てしまいます。
これが肝臓の病気によるむくみの原因です。
肝臓は沈黙の病気とも呼ばれており病気になってもなかなか自覚症状が出ないので、特に注意する必要があります。
むくみの原因を突き止めて改善を!
女性はむくみによる見た目の変化を気にしがちですが、そもそも下半身がむくむのは身体が健康な状態ではないというサインです。
そのことを考えても、むくみがひどい場合には原因を突き止めて対処することが必要だといえます。
たかがむくみだと思わずに、自分の健康のためにもしっかりとむくみ対策をしてくださいね!